― 医療者が現場で見た「最初の現実」 ―
はじめに
がんと診断されたとき、多くの方がまず不安に感じるのは
「治療はどうなるのか」「仕事は続けられるのか」
そしてもう一つが 「お金はいくらかかるのか」 です。
医療者として現場で患者さんやご家族と関わる中で、
「こんなに早くお金が必要になるとは思わなかった」
という声を何度も聞いてきました。
この記事では、がんと診断されてから“最初に”かかるお金について、
現場目線でわかりやすく整理します。
がんと診断された直後に発生しやすい費用一覧
まず、実際に多いのは次のようなお金です。
- 検査費用(CT・MRI・生検など)
- 初回入院・手術費用
- 外来通院にかかる交通費
- 入院中の差額ベッド代
- 入院中の食事代・雑費
- 仕事を休むことによる収入減少
「治療費」だけではない点が、最初の落とし穴です。
最初にかかる① 検査費用
がんが疑われた場合、確定診断のために検査が重なります。
- CT・MRI
- 内視鏡検査
- 生検(組織を取る検査)
保険適用でも、数万円単位になることは珍しくありません。
短期間に複数回通院が必要になることも多く、交通費も地味にかかります。
最初にかかる② 入院・手術費用
がんと診断されると、比較的早い段階で入院や手術が決まることがあります。
- 医療費(保険適用3割負担)
- 高額療養費制度の対象になるケースも多い
- ただし 一時的には自己負担が発生
高額療養費制度は後から払い戻される仕組みのため、
「一度は支払う必要がある」 点に注意が必要です。
最初にかかる③ 差額ベッド代
個室や少人数部屋を希望した場合、
差額ベッド代は保険適用外です。
- 1日数千円〜数万円
- 数日でも合計額は大きくなりがち
医師の指示でなく「希望」で使う場合は、断ることも可能です。
知らずに了承してしまう方も多いため、注意が必要です。
最初にかかる④ 食事代・雑費
入院中は、意外と細かい出費が重なります。
- 食事代(1食あたり数百円)
- テレビカード
- 日用品・下着・洗面用品
- 家族の付き添いにかかる交通費
「医療費以外のお金」が、じわじわ負担になります。
最初にかかる⑤ 収入の減少
治療開始と同時に仕事を休む方も多く、
- 有給休暇がすぐに尽きる
- 無給期間が発生する
このタイミングで
「お金が出ていく+収入が減る」
という状況が重なります。
傷病手当金などの制度がありますが、
申請から支給まで時間がかかる点も要注意です。
医療者として伝えたいこと
現場で感じるのは、
「がん=高額な治療費」
だけではなく、
診断直後から生活費・雑費・収入減が同時に来る
という現実です。
事前に知っているだけで、
- 制度を早めに使う
- 無理な個室利用を避ける
- 家族とお金の話をしておく
といった選択ができます。
まとめ
がんと診断された直後にかかるお金は、
- 医療費だけではない
- 思ったより「早く」必要になる
- 一時的な立て替えが多い
という特徴があります。
次の記事では、
どう変わるのかを、具体例で解説していきます。


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